早く老人になりたい

2012年09月14日

第15回「片道1円の飛行機に乗って福岡へ行ってきた話」

とんでもないセールがあった

今年の4月のある日の話。職場の昼休みにふとツイッターをチェックしたら、JETSTARという航空会社の航空券が時間限定で安売りされているという情報が目に入った。

安売りキャンペーンのページをみてみると、「成田−新千歳」、「成田−那覇」、「成田−福岡」などのチケットが片道1円で買えるんだという。セールの時間は正午から14時までの2時間。で、まさにちょうどその昼休みがその時だったので、「そんなの人が殺到してあっという間に売り切れるんだろうな」と思いつつ、手順に沿って手続きを進めてみた。そしたらあっさり予約できた!

販売されているのは9月以降のチケットだけだったので、まだその時点では予定が読めなかったが、とりあえず予約してしまった。よく一緒に飲みに行く同僚の分と合わせて2名分。行き先はなんとなく「福岡」に。食べ物がなんでも美味いと聞いていたので、飲み歩きするだけで楽しそうだ。

予約完了後、早速コンビニからチケット代金を送金する。席料と手数料が乗っかって、最終的には1804円支払うことになった。が、一応、往路と復路は4円となっている。




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本当なのだろうか



大きな荷物を持ち込んだりすると細かく加算される仕組みがあったりするらしく、そういう仕掛けが張り巡らされていて、結局は結構な交通費になるようになっているのではないだろうか。というか、これ、本当に飛行機は飛ぶのだろうか、いや、なんかどうも、どこまで信用していいか分からないな…。と、代金を支払った後もまるで現実感が湧かない。4月時点ではまだまだかなり先の話だったので、一旦忘れることにした。

あっという間に夏の日々が流れて9月。「あー!そろそろだったな。そもそも何時に出発するんだっけ?」っていう調子で、予約内容を確かめたら午前6時10分に出発の便とある。早いなーと思って調べてみると家の最寄から始発に乗っても間に合わない時刻だ。

どうやら、JETSTARを始めとした「LCC」と呼ばれる格安航空会社の早朝便を利用する人にとって、この「始発乗っても間に合わない問題」は共通のものらしい。飛行機で旅した経験があまりない自分は、「前の夜から空港のふかふかの椅子で寝てればいいんじゃないの?」ぐらいに考えていたが、空港って夜中、閉鎖されているんだな。ではどうすれば?

そんな人向けに、東京駅から深夜のシャトルバスが出ているという。東京駅を午前1時半に出発。成田空港に午前4時半に着く。本来、東京駅から成田空港までは高速バスが70分ほどでつなぐ距離らしい。が、早く着き過ぎちゃあ意味がないので、このバスは途中のサービスエリアに2時間ぐらい休憩して、できるだけ時間をかせぎながら空港が開く頃を見計らって成田へ向かうのである。東京駅から成田空港まで通常1000円のところ、今は割引中で800円だというのでこれを予約。




半信半疑のまま当日を迎える

こうしてようやく手はずは整った。当日、終電間際の電車で東京駅を目指す。午前1時前に今回の旅を共にする同僚の“ヤマナカ君”と合流。




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右のほうにいるのが彼。時刻は0時半で眠い



コンビニ前で乾杯してバスを待つ。繰り返すが、今回の福岡行きは片道1円の往復2円だ。2円で福岡まで行って帰ってこれる。この「キューピーコーワゴールドA」が2錠で100円なので、1錠分で25回福岡に行ける。




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そう考えるとたけー!



ヤマナカ君が地面に座り込んで食っているこのあたりめ1かけらで5回ぐらい行けるんじゃないか。




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イカもたけえー



平日の夜にもかかわらずほぼ満席のシャトルバスが東京駅前を出発。数十分して着いたサービスエリアが「酒々井」。




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酒ツアーの始まりにふさわしい



ヤマナカ君は夕飯を抜いてきており、サービスエリアでの夜食を楽しみにしていたらしいが、この時間に開いている店舗は牛丼の松屋だけ。仕方なしに自分が食べたこの「牛丼小盛+キムチ」で、180回福岡行けると思うと悔しい。




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まあうまかったけど



のん気に松屋で食事したりしていたせいで、あまり眠ることができぬままバスは再び走り出した。間もなく空港に着くという手前で突然バスが停車。「安全管理のために乗客の身分証を確認する」という。




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ここで帰らされるというオチかと思った



普段、自分は身分証を持ち歩かないので焦ったが、たまたま財布に免許証が入っていてホッとする。が、身分証が何もなくとも、簡単な書類に記載さえすれば大丈夫なようだった。

空港について、搭乗手続きを済ませる。いよいよどうやら本当に乗れるっぽい!まだ出発には1時間半ほどあったが興奮してきて眠れず。ちなみに売店にはアルコール類が売られているが、このように




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機内への持込はできない。JETSTAR機内ではドリンクやフードがすべて有料で販売されているのである。飛行機の中で酒を浴びるほど飲みたい!という方には厳しいシステムだ。

出発の時刻が近づき、バスで飛行機の側まで運ばれる。こんな感じの機体。




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朝日がまぶしい午前5時50分ごろ



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搭乗員の方と



機内はこんな感じで、まあ広くはないがギュウギュウでもない。




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真新しく清潔な雰囲気でした



早速気になって手に取った機内食のメニュー。




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ジュースとポッキーで500円



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ソフトドリンクが200円、アルコール類が500円前後という感じ



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おにぎりやサンドイッチもある



うーむ、やっぱり、それなりの価格だ。せっかく往復2円なのに。まあ、国際線だとちょっと大変かもしれないが、国内線の短い乗車時間であれば、ガマンできないことはないのである(どちらかというと飛行機が怖い自分は、眠ることもできず、何度もお酒に逃げたくなったが耐え忍んだ)。

そのほか、機内でのサービス(備え付けのシステムで音楽が聴けたり映画が見れたり、毛布を貸し出してくれたりとか)は、ほぼカットされている印象だが、こちらもまあ、短い時間なら気になることはまったくない。




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ちなみにこちらは、そこはかとなくオリエンタルな”安全のしおり”



さて、飛行機は、定刻より15分も速く福岡空港に着陸。半信半疑の日々だったが、




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こんな袋が売られてたり



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駅にこんな地名が並んでるところをみると



本当に福岡に着いたようだ!うおー!




本当に着いた!

さてここからは、走馬灯のように旅を振り返ります。




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東長寺で大仏を見たり



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ラーメン食べたり



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角屋という居酒屋で昼酒を飲んだり



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このかっこいい「博多ポートタワー」の



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展望台に上ったり



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ふもとのベンチで寝たりした。



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その港から水上バスで街へ出て



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「酒一番」という店の名物・カレー鍋を食べ



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ハシゴしたのち、公園で寝るなどした



この時点でまだ夜の20時ぐらいだったのだが、「博多の夜はこれから!屋台で飲み食いする前に一回宿に戻って一眠りしよう」、ということにして、次に目を覚ましたのが翌朝の8時過ぎだった。前夜からの寝不足がここに来て不幸な結果を招いた。こんなに寝たのは数年ぶりかというほど。




あっという間に時間は過ぎて

で、また




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ラーメン食べたり



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福岡ドームに行って



併設されてる「王貞治ベースボールミュージアム」へ行ったり。

ちなみにこの王貞治ベースボールミュージアム。入館料は大人900円と、福岡往復の450倍だが結構しっかり作りこまれてて楽しかった。館内から福岡ドームの内部を見渡すこともできる。




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王さんの実家の中華屋が再現されてる



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王さんが



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好きになりました



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バット振る速さとかも計測できます



あと、福岡ドームの周りに、有名人の手と握手できるコーナーが延々続いてた。ブロンズの手がニョキニョキ生えてる。




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こんな風だ



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ジョン・ボン・ジョビさんと



原田知世の手がとても小さかったのが印象的。カッチカチだったが。

で、




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ドーム裏手の砂浜で一杯やり



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ホルモン食べたり



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ラーメン食べたりして



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帰路



あっという間の一泊旅行だったが、タダ同然の交通費でだいぶ満喫してきたのであった。帰りの便ではこれを。




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450円のハイボールを上空にて



そのおかげかまったく飛行中怖くなかった。

長々すみませんでした。JETSTARでの旅、思ったより全然快適でした。1円セールじゃなくとも、かなり安いようなんでまた利用してみたいと思います。ただ、早朝の便と最終便は、他の交通機関との連携が悪いためにちょっと面倒なところがあります。帰りも、もし発着が少しでも遅れようものなら終電逃すところでした。この辺が改善されたら文句ないのですが!




チミドロライブ情報

2012年10月27日(土)
「東京にもあったんだ!2012」
渋谷WOMB
OPEN 13:00 前売り 3000yen 当日 3500yen (ドリンク代別)
(チケットはLAWSON、E+にて9月27日より発売開始!)

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posted by チミドロ鈴木 at 11:35 | Comment(0) | 第1回〜第25回
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