早く老人になりたい

2012年06月14日

第9回「MCのクスモト君が死にかけた話」

前回の記事にコメントくださった方、ありがとうございます!はい、答えは「やかん」です。これでようやくぐっすり眠れるのではないでしょうか!




不安なメールは急にくる

もうひと月以上も前のことになるのか。五月の連休があっという間に終わろうとしているそのまさに最終日、バンドのメンバー間のやり取りに使っているメーリングリスト宛にハナイさんから「クスモさん、Facebookみたよ。大変そうだけど大丈夫かー!?」というメールが届いた。

昼間で、私は隅田川沿いの遊歩道を歩いているところで、Facebookをチェックすることもできず、しばらくは何のことだかよく分からなかったのだが、ほどなくしてクスモト君本人からきたメールによると、「海でサーフィンをしていて死にかけて、何針か縫うケガをした」というようなことが起こったらしい。

さっきから「クスモ」とか「クスモト君」とか説明もなく書いているが、我がバンド「チミドロ」のMCで、私とは中学校からの同級生で、バンドの中で一番背が高く、すらっとしているんだが、建築現場で力仕事をこなす肉体派、それがクスモト君である。

長渕剛とX JAPANを信奉し、志村けんとパチスロ、UFOや心霊動画などが好きである。雑だが、それがクスモト君だ。

貴重な体験談をぜひ聞いておこうと、深夜のファミレスでその時の話を聞かせてもらった。




語ってもらいました

――えーと、そんで、改めて、何があったんだっけ?

クスモト「え?なにっていうか、まあ、前の日も(チミドロのベーシスト)イッチーと海行ってたんすよ。そん時はすごい楽しくサーフィンができたんすよ」




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インタビューに応じるクスモト君





クスモト「初めて2年ぐらいになるんすよ。でも冬からちゃんと入ってるのは今年からで、だから全然あんまり上達してない。でも、最近になって板も新しいのを友達に売ってもらって、その板にも慣れてきて。で、五月じゃないっすか。連休。連休はもう前半から連チャンで海行って、平日挟んでそのあとイッチーと行ってすんごい楽しくて、そんで次の日に、事故がおきたんすよ」

クスモト「波がその日、デカかったんすよ。竜巻がきて、異常気象だった日。千葉のサンライズってとこで、朝のラジオでは“初心者は入水を控えたほうがいい”みたいに言ってたんだけど、一緒に行った友達は上手だし、まあ大丈夫だって、行ったんすよ。したらやっぱ波がでかいんすよ。普段僕とかは腰ぐらいの波がちょうどいいんだけど、その日は頭を越えてくるぐらい」

クスモト「で、着いて、着替えて、入ったんすよ。朝7時ぐらいかな。で、沖の方に出るんだけど、ど真ん中から普通に出てったら波が大きくて、はね返されてなかなか沖までいけないから、防波堤に沿って行こうと。そこには潮の流れがあるから、それを利用していけば早いんすよ。で、友達とびょーんと行って、確かに楽なんすよ。で、友達は波をくぐっていい位置に行って、僕も行こーと思ったら一回大きい波がきて、どーんと戻されて、パタパタやってたんすよ。で、友達が見えなくなって、やっぱ波すごいんだなーと思って、気づいたら堤防のテトラがいっぱいあるところのまん前にいたの」




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長方形の物体が堤防





波のデカさと滑るテトラ

クスモト「やっべ!と思って、自分の後ろでは波がばっしゃんばっしゃんいってるから。で、必死でパタパタやったんだけど、むしろ押し戻されてんすよ。これダメだぁーと思って取り合えず板を捨てて泳いだんすよ。波がバーンてきて、体は抜けれるんだけど、板が引っ張られちゃってグイーってまた後ろに」

――あの紐みたいなやつで板は足にくっついてんのまだ?

クスモト「くっついてるくっついてる。これやばいなーと思ってたんすけど、もう板がテトラの方に行ってガコって中に入っちゃって。うわぁー!って。うわーって。とにかく波がすんごいデカいんすよ。こんなです」




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伝わるか不安なほどのデカさ





――なるほど。板は足につながってんでしょ?取っちゃったほうがいいんじゃないの?

クスモト「そう思うでしょ?僕それを取っちゃったから本当に危なかったんすよ。波が来るたびに、クルクルクルクルなっちゃうんすよ。洗濯機みたいに。波がドーンと来るたびに。何回もだから」

店員「失礼いたしまーす。お待たせしましたー、チョコレートパフェです」




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パフェがきても表情ひとつ変えずに語る





クスモト「とりあえずよじ登ろうと試みたんすよ。どれぐらいだろ3mぐらいあるかな。でも、こういう。無理なのよ。滑って」




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コケがすごいんで





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落ちてしまう





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波の勢いでぐーっと上まで登れたんだけど、コケでー





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また落ちる





クスモト「もう板は諦めて、リーシュ(足首と板をつないでるコード)を外したじゃないっすか。で、波がまた来るじゃないっすか?そしたらさっきよりも奥に持ってかれるようになっちゃったんすよ。今まで板が引っかかって助かってたんだけど、こういう風に」




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なんか入ってる





クスモト「テトラすっげー難しくて描けない。立体が…。とにかく奥に入ってっちゃって」




テトラを描くのは難しい

クスモト「もう息も続かないんすよ。もう何回も沈められてるから。友達はみんなもう、僕のいる全然上までデカい波が打ちつけてるのが見えてるから、もうだめだと思ったらしいんすよ。あれは死んだかも…つって。しかも、みんな近づいたら自分も巻き込まれて危ない場所だから行けないわけよ。防波堤から近づいていってもコケがすごくてテトラまでは行けないし」

クスモト「で、家にもう帰れないんだなーっと思って。海もう、ぜってー行かねー!と。あとは、あー、その時に見た風景でいい?こんな。やべ、手が描けねえ」




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前方にまた巨大な波が





クスモト「そんでー、なぜか奇跡的にまだテトラの一番奥までは行かずに引っかかってたんすけど、そしたらプロボディボーダーの人が助けに来てくれたんですよ。近くまで。で、波が来ない瞬間をみて、僕がいるテトラのところから、自分のほうに『飛び込め!』って言ってくれて。で飛び降りて、いいタイミングをみてくれたから、ちょうどその人の板まで行ってつかまれたんすよ。で、そのまま、砂浜のほうに連れて行ってもらってー」




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こういう風な人が助けてくれたそうです





クスモト「で、砂浜についてしばらく歩いて、僕はそこで倒れたんすよ。そこですごい吐いて、色々打ってるから血だらけで」




なんとか砂浜にたどり着いた

クスモト「すぐ救急車呼んでくれて、来るまでの間、その人に『具合どう?』って言われて、なんかすっごく眠くなったんですよなぜか。だから『ちょっと眠いです』って言ったら、『寝ちゃだめだ!』つって話しかけてくれて、『どこから来たの?』とか。あとは、『好きな食べ物は何?』っていうから、『特にないです』って言って」

――え!特にないんだ?好きな食べ物

クスモト「特にないですって言って。そうこうしてるうちに救急車きて。でもサンライズって車道から海まで距離があるんすよ。そしたら、地元のサーファーの人たちが、通行の邪魔にならないようにみんなで通り道を作ってくれて」

――すげーいい人たちじゃん!

クスモト「うん。後からそれは聞いたんだけど、泣きそうになったっすよ。で、近くの病院行って、頭から血も出してるからCTとかレントゲンとって。でも何もないってことになって。とりあえず麻酔打って傷口を縫われて。会計1万8,000円ですよ。1万8,000円、たっけえー!つって」

――で、帰りは?友達の車?

クスモト「うん。で家まで送ってもらって。いや、ほんとに助かってよかったって。かなり危なかったのに軽いケガで済んでよかったよーって。そんで、帰ってすぐFacebookにアップですよ。みんなに心配してほしくて」

――ケガの画像、昼ごろには上げてたんだもんね。だって、海入って、何もしないで、いきなり事故だもんね。

クスモト「そうっすよ。7時に入って8時半とかにもう病院終わってるから。でも入ったばっかで体力があった時点だからまだよかったんだけどね」

クスモト「で、その日は寝て。めしも気持ち悪くて食えないから。起きたら足が痛くて歩けないんすよ。手も痛くてコントローラーが持てないんで、ゲームはできないから、ドリフとかみてましたよ」

クスモト「まあ、それぐらい。あとは、一週間ぐらいしたらやっともう元気っすよ」

――その助けてくれた人がすごいいいこと言ってたんでしょ?

クスモト「うん。直接じゃないんだけど、友達に、『あの子にサーフィンやめないでって言っておいて。絶対この経験でまた上手になるから』って言ってたんだって。早くお礼しに行きたいんすよ」

――また海には行くの?

クスモト「まだ今、肩があがらないんすよ、これ以上。激痛が走るんすよ。だから動くようになったら行こうかなと」




と、こんな体験だったそうだ。事故後のクスモト君には、知り合いの結婚式の二次会で一度会っていたのだが、その二次会のくじ引きで彼になんとマクドナルドの食事券3000円分が当たった。




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I’m lovin’ it.





マクドナルドが大好きな彼は、「悪いことがあればいいこともある」と語っていた。あ、好きな食べ物あったな。

ネットで少し検索しただけでもテトラポットの怖さに関する情報はたくさん出てくる。そんな中から生還したクスモト君とこうして普通に話せることがひしひしと素直にありがたい。ああ、よかった。そして、救助してくださった方、地元のサーファーの方々、この度はご迷惑をおかけいたしました!




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Stay Alive





告知

告知があります!

チミドロの曲で「ただの錯覚」というのがあるのですが、そちらをSoccerBoyというDJにリミックスしていただきました!

チミドロとは長い付き合いの男なので、かえって彼をなんと形容していいか分からないのですが、才人です。DJしつつトラックもバンバン作っていて、最近では歌もうたってラップもし始めたんで今後どこへ行くのかまるで読めなくてかっこいいです。

このリミックス、実際は少し前に作ってもらって、自分でもDJ時に使ったりしてたんですが、このたび、SoccerBoy氏のsoundcloudにその曲がフルバージョンでUPされました!

じわじわと狂っていって、後半で叫びながらどっか走っていくような展開が最高なんでぜひ聴いてみてください!



iTunesでも販売してますので、もし気に入った方がいたらご利用ください!

そして、

久々にチミドロのライブがあります!豪華出演陣!!!絶対楽しい夜になるはずです。

2012年6月30日(土)
音飯 MANGA SHOCK企画
「ez do DANCE!!!!」
23:00〜5:00
@高円寺STUDIO DOM

●出演●
【DJ】
FUKUYOKA
箕浦建太郎
アソコジャパン
マーチ
デビルスコーピオン
シュガーボーイ
松井一平(TEASI)
タナゲス
37A
tahuDj(denpaRec)
長州ちから
【LIVE】
ヌケメバンド
BAAAK BONKDOM
THIRTY JOY
千田浩人(PeacePill)
アベミキ
回鍋肉(見世者小屋)
YUNDE
SMOKIN' IN THE BOYS ROOM
夢のでぶコーネリアス
UTOPIA3
OfficeVoids
Tongues
夕焼けの丘
EL NUDO
チミドロ
FIST FUCKERS
ちくわテイスティング協会
ゲバ棒
HORSE & DEER
MANGA SHOCK
and more!



posted by チミドロ鈴木 at 10:14| Comment(0) | 第1回〜第25回
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