普通の日々
ここ最近、身辺が慌ただしく、ゆっくりどこかを歩くことも、飲み屋のカウンターに身を預けることもできないでいる。
週末も、食料や日用品を買いに近所のスーパーに行くか、せいぜい電車に乗って近くの町に出る程度。昼から飲む缶ビールのほろ酔いに身を任せ、そういったなんでもない場所を歩いていると、なぜかいつも目に入ってついつい惹かれてしまうのが「バーゲンブック」のワゴン。いわゆる「自由価格本」のまとめ売りコーナーである。
みなさんは見かけたことがないだろうか。私の生活圏内だと、近所のスーパー「ライフ」の一角で見かけたり、池袋の駅構内で見かけたりする。大型書店に「自由価格本コーナー」みたいなのが作られていることもよくある。
「自由価格本」というのはつまり、書店で売れ残った本を値引きして売りますよ、というもので、まあ、本の叩き売りというか。といっても、価格は定価の30%からせいぜい50%オフぐらいの感じで、めちゃくちゃ安いわけでもない。ワゴンの中を眺めても、古本屋で掘り出し物を探している時の感じとは違い、魅力的なアイテムはまず見当たらず…、こう書いていると何が楽しくてそんなコーナーをのぞいているのかまるで伝わらない気がするが、雑然と並べられた本が発するなんとなく怠惰な、投げやりなムードがいいのだ。

こんな風な
例えば先日立ち寄った池袋駅のバーゲンブックワゴンでは、
・レシピ本や辞典などの完全実用本
・子供があんまり喜んでくれなさそうな児童書や絵本
・健康、ダイエット関連書
・自己啓発系の新書
・スピリチュアル本
あたりがほとんどを占める。

合法ハーブ

それは、とても、いいことだな
取り立ててお買い得なわけでも、いい本があるわけでもないのにワゴンの周りは絶えず人だかり。自分が買わなきゃそのまま資源ゴミになってしまうんじゃないか、などという気持ちが刺激されるせいだろうか。みんなこの本の中から欲しいものを必死に探そうとしているように見える。私は今回2冊購入した。それを紹介させていただこうと思う。
衝動的に買ったぜ!
『父と子のサーキットの狼ぬりえ』(ロコモーションパブリッシング・2007年発行)


1974年に週刊少年ジャンプで連載が開始された「池沢さとし」によるヒット作をぬり絵にした本。ちょっと前にこういう「ぬり絵本」がやたら流行った記憶があるのだが、そんな流れにのって作られた本だろうか。片方のページに元絵があり、もう一方がぬり絵ページ。
こんな感じ。

原作から取られたイラストを見本にしながら塗る
まあ、主旨は非常に分かりやすいんだが、
これが

元絵
これとか、

ぬり絵
これが

元絵
こうとか

ぬり絵
どうやってぬればいいのかわからない。
これなんか

元絵
どういうことなんだ!

ぬり絵
こんなページが延々続く上に、後半は作中の名ゼリフのなぞり書きコーナー。

うっおおーっ
力が抜けます。
次の一冊は
『母と子のなぞなぞあそび』(三興出版・2009年発行)


この手の「なぞなぞ本」は、結構ラフに作られたものが多くて魅力的なのだが、この本はなんと言ってもイラストが魅力的だった。
まず内表紙。

なんか変だ。どことなく不穏なムード。
パラパラとめくっていくと、
「あたまからお水を飲んで、ほそながいオチンチンから、あつーいオシッコをするもの、ナーニ?」っていうこの絵、

ひどいな!
お父さんが子供に向かって「入れ歯をしたタコを買ってきてくれー」と言って、これなーに?っていうんだが、

見てはいけないものを見ているようなこの感じ。このおっさんのうさん臭さ。
よくみるとここの絵もなんか怖いし

この仲間たちもなんだかわからん。

「えんとつ」という答えでは、看板に火葬店とか書いてあるし

なんか

なんか

なんか

なんか

何かがおかしい!
以上、バーゲンブックで無駄遣いした話でした。でも実際、こういう本を作る現場っていうのがどんな感じなのか興味があります。案外、自分の理想の職場かもなって予感も。
では次回またお会いしましょう!さようなら!
ところで、オチンチンからアツイオシッコをするひとの答えは何ですか?
悪夢に出そうなイラストです。
素敵!