私がやっているチミドロというバンドのちょっと前の曲に「仕事したくない」というのがあります。
先日、「100yenLABEL」や「drumsoft」というプロジェクトを主宰されている片岡ハルカさん(いつも何か面白いことを考えている方です)が「チミドロの“仕事したくない”が、soundcluoudなんかにアップされてたら、仕事したくないという意志をツイッターなどで表明する時に便利では?」と提案してくださり、我々はそれをそのまま実行しました。
こちらでいつでも再生することができますので、良かったら仕事したくない時にご利用ください。
で、そう、外で飲んだりしやすい気候になってきました
本当ならば、春めいた町に出向き、読んでくれた方が思わず小躍りしたくなるようなコラムを書きたいのですが、最近なかなかゆっくり外に出ることができず、今回も畳の部屋からお送りします。まあ、先は長いのでゆっくりやっていきます。連載は老人になるまで続く予定ですので。
では始めます。
俺はお色気新書を集めている!
1970年代初頭、奈良林祥が著した「HOW TO SEX」という書籍がベストセラーになった。ストレートなタイトルが示すとおり、性に関するハウツー本で、東京医科大を卒業し、性のカウンセリングを行っていた奈良林祥氏による「正しい性知識の解説」+「カラーグラビア」という構成の斬新さがヒットの要因だったという。
このヒットを受け、この手のハウツー系新書が次々に出版されるようになる。どれも体裁は奈良林祥スタイルを踏襲していて、ちょっと胡散臭い医学博士だとか何かの専門家だとか名乗る人が文章を書いていて、中を開くとカラーエログラビアが眼に飛び込んでくる。
それらの多くは、ちょっと読んだだけでも適当に作られた感じが伝わってきて、間抜けな内容のものばかり。「なんでもいいよ!グラビア入れときゃ、ある程度売 れんだろ!」という投げやりな思いをひしひしと感じる。自分はその適当な気持ちで書かれた文章や、適当に撮られたグラビアの味わいが好きなので、古本屋で 見つけて1冊100円か200円なら買うようにしている。
本日は、そんな中からどうしようもない1冊を紹介したい。
はい、これです

盗聴アタック・マイク術 / 和泉聖治・編
徳間書店から1981年の11月に出版された1冊。確かになんとなく80年代っぽい雰囲気の漂うジャケかもしれない。
「アタック・マイク」と言われても一瞬なんのことだか分からないが、この本、要するに盗聴のハウツー本なのだ。裏表紙がこれだもの。

なんだこれ
Love Sound Hunter
この本の中では録音する対象を「ラブサウンド」という言葉で呼んでいる。「ラブサウンド」…なんと素敵な響きだろうか。そんな名がついた古いレコードがあったらまず間違いなく名盤だろう。しかし、この本の中での「ラブサウンド」は要するに他のカップルのいちゃいちゃしてる声のことである。大げさな話だ。
巻頭にカラーのグラビアページが少しあり、第1章が始まる。盗聴の心構えだの、必要な準備だの、どこまで真剣に書かれたものなのかはわからないが、とにかくハイテンションに書きつづられていく。ここからは文中の見出しを引用させていただきたい。
PART1 基礎編

のっけから大きく出る!

偉そうに言ってるがやってることは犯罪

だ、そうだ。
「ラブサウンドハンターの心得15か条」というのが記されていて、その中に
その12 酒気をおびたままのハンティングは避けるべし。人間、酒を飲むと何をやりだすかわからない。飲酒ハンティングはラブサウンド・ハンティングでも免許取り消しだ。
とある。このアホらしさ。たまらん。どういった思いで書かれた文章なんだろうか。続けます。

法律を知る必要があるそうです。

調べてないけど、きっとそんなことない

そうだろうよ!

そういうことなのだろうか?

ドーンと開きなおった!
なんてしょうもない本なんだ
パラパラめくっていくとカラーのヌードグラビアも多数掲載されていて、まあそれこそがこの手の新書の要所であることは前述したとおりだが、その合間合間に挟み込まれる余計なショットがまた間抜けだ。

岩場に身を隠しガンマイクでハンティング。
夏休みの1ページみたいな画像に気が遠くなる。
さらにこちら。推奨コスチュームだ。

アウトドア志向のハンター(右)と公園でのハンター(左)
これで、

木の上に。目立つ!
ああ、なんて物悲しい写真なんだろう。カラーグラビアの無駄遣いだ。これとか、

岩でカモフラージュされた望遠マイク。
こんな画像、カラーにする意味あんの?
誰に向けた本なのか
一体この本は、どういった読者層を想定して書かれたものなのだろうか。まるでわからない。

急に生徒たちに呼びかけた

みんなでマイクオン!

やたら語呂がいい

腹立つ!
かと思いきや、

急にビジネス名言みたいな

上司の本音もラブサウンドなのか

バカ社員!
あーあ、もうすべてのやる気を吸い取られる一冊。巻末には録音機材のレビューなんかも載っていて、そこだけ見たら真面目なオーディオ解説書みたいだ。
お色気新書の世界にはこういった奇書がまだまだたくさん存在するので、また折りをみて紹介したいと思います。
チミドロライブ情報
4月28日、2箇所でチミドロのライブがあります。時間があったらぜひ遊びにきてください!
Tokyo Max Users Group PRESENTS “proxy vol.2”
2012年4月28日(土)
at 西麻布BULLET'S
18:00–21:00
fee 1000yen / 1drink
LIVE:
TELESCOPE
Chimidoro
nanonum
U+UCO
Ca5
チャレンジ 2012 春
2012年4月28日(土)
at 高円寺STUDIO DOM
24:00 – 5:00
1500yen / BBQ食べ放題付き
【出演】
地盤沈下(鹿児島)
gypsy paradox
島崎大
ジャポニカソングサンバンチ
タカボウ
チミドロ
Nakayoshi group
NA!とぅるんとぅん
西村ノブヒロ(of ユームラウト)
MANGA SHOCK
矢野忠とイタズラボーイズ
【DJs】
IAN MARTIN(CALL AND RESPONSE Records)
Gung-Pang
sayuri lovefoxx
TAKUchan
TOMO(STYLE BAND TOKYO)
チョッカン
フジノ(イェイェ)
DJ BOHYA
MACHIDA DX
RALLY(the mornings)
ろっきー(フジロッ久(仮) / イェイェ)
Xiroh(Buddy Girl & Mechanic)