早く老人になりたい

2016年11月28日

第52回「もしも、『スーパーマリオくん』が『人間失格』だったら…」

 ご無沙汰しております。みなさんご無事でしょうか。

私はつい先日、楽しいピクニックの最中に手を14針縫うケガをしてしまいました。
未だにうまくダブルピースができないんですよ。

みなさんは、どうですか。




近所のブックオフにて

暇で、近所のブックオフに出かけた。そしてなんとなくマンガコーナーの方に行ってみたが、ブックオフのマンガコーナーはいつも熱心な立ち読みの人で一杯だ。通り抜けるのも難しいほど。なので、やっぱりやめよう、と移動しようと思ったら、小学館のコロコロコミックスの棚の前は人がいなくて、そこに足を止め、なんとなく、沢田ユキオ作「スーパーマリオくん」の8巻を手に取った。




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懐かしい。今調べてみたら1990年からコロコロコミックに連載されているらしい。その頃私は11歳なので、小学五年生か六年生か。その歳でコロコロを読んでいただろうか。周りはジャンプを読んでいそうだけど、自分はまだコロコロだったかもしれない。だから「スーパーマリオくん」にも覚えがあるんだろう。

タイトルの通り、任天堂のスーパーマリオブラザーズシリーズを題材にしたドタバタギャグ漫画である。パラパラ読んでみると、こんなに高速なテンポだったっけと驚く。




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1コマの中にボケもツッコミが併存し、次のコマもそんな感じ、それでずっと続いていく。息継ぎナシって感じの速さだ。小学生の猛烈わんぱくなテンションじゃないとこのノリにシンクロできないかも、と感じた。

それで、8巻を少し読んで、もしもこのマンガが、絵柄はそのままでセリフが全部陰気なトーンになったら面白いかもな、と思った。

そうなると太宰治の「人間失格」だろう。高校の頃に読んで、うおー!太宰!人間丸出しでなんかおもしれー!と思った気がする。太宰治については、個人的には最近は読まなくなったけど、なんか面倒くさそうだが魅力的な人というイメージでいつも心の片隅に存在している。

そんなわけで、「スーパーマリオくん」の8巻と太宰治の「人間失格」を買って帰った。




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何がしたかったかというと、「人間失格」の中のセリフを切り取って「スーパーマリオくん8巻」に移植できないかと思ったのだ。

しかし、これがちょっと想像しただけで面倒な作業なのだ。切って貼っての繰り返し。しかも、果たして面白いものになるのかもまったくわからない。

それでそのまま3か月ぐらい部屋の隅に置いておいたのだが、「ピコカル最近書けてないなー」と思って、勢いつけて取り掛かった。

まず、「人間失格」は超ベストセラーでブックオフにも大量に在庫があり、うちの本棚にもすでに一冊ある。本来、本にハサミを入れるなんてすごく気が引けるのだが、俺が1冊無駄にしたからとて影響を受けるようなやわな本ではないだろう、と言い訳して、切る。

「スーパーマリオくん」の方は、1ページの中におびただしい数の吹き出しがあり、貼り込むスペースが狭すぎるので、拡大コピーしたものを使うことにした。

「人間失格」から切り取った会話文を空のティッシュ箱に溜めていき、




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吹き出しの大きさにあわせてあまり深く考えずに貼り込むことにした。




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のだが、当初の予想より「スーパーマリオくん」の吹き出しの数がだいぶ多くて、ただ会話文を使うだけじゃ足りず、まあ、この小説、そもそも主人公の独白という形だし、どこでも使っていいことにしよう、と気持ちを切り替え、もう使えそうなところはどんどん使うことにした。

そうして数日かけて作り上げたものを以下に紹介したいと思う。よかったら読んでみてください。








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いかがでしたか。

バラバラになってもちゃんと太宰治だし、「スーパーマリオくん」のリズムもちゃんと残ってる(そりゃそうだが)、不思議な感じのものになった。

もし、みなさんがなんとなく面白かったとしたら嬉しいです。



posted by チミドロ鈴木 at 12:30 | Comment(0) | 第51回〜第75回
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