早く老人になりたい

2014年08月14日

第40回「山下院長とファンシーキーホルダーを探しに行く」

みなさんご機嫌いかがでしょうか。

私は会社勤めを辞めてからおよそ1か月が経つのですが、毎日決まった時間に決まった場所に行く、というリズムが失われると人間の体はとことんだらけるものですね。とにかく毎日めちゃくちゃ寝てます。最近では1日に12時間近く寝てしまって怖いです…。



さて、今回の主旨です

山下院長」と出会ったのはパリッコさんが「大衆酒場ベスト1000」連載100回記念イベントとして催した「居酒屋パリッコ」でのことだった。

パステルカラーのファッションに身を包み、ただならぬ雰囲気を漂わせていた彼だったが。話してみると大変気さくな方で、なんでも「観光地の土産屋なんかで昔売られていたファンシーなキーホルダーを集めている」という。自分もその手のファンシー物産が大好きなので興味を持った。

それからSNS上などで山下院長の活動を拝見するにつけ、これはぜひ何かにかこつけて一緒に遊びたい、という思いが募った。それで、今回は山下院長と東京の観光地を散歩し、ファンシー土産の残滓を探し歩いてみることにした。あの手のグッズは今でも買えるのか。院長、こんないきなりの企画、参加を快諾していただきありがとうございます!

ネットに掲載されていた山下院長のプロフィールは下記の通り。

(山下院長・プロフィール)
イラストの描かれた”おみやげ”を「絵みやげ」と呼び、
なかでも80年代の観光地で大ブームを巻き起こし消え去った、
ファンシーイラストの描かれた絵みやげを収集するコレクター。
2010年より「絵みやげ」の収集を開始し、その数は1000を超える。
「ファンシー絵みやげスタ」を名乗り、80s文化や限界観光地への考察や、イラスト作成を行う。

☆略歴
小学生時代 … イラストキーホルダーをいくつも買う
中学生時代 … イラストキーホルダーをぜんぶ捨てる
2010年〜 … ファンシーおみやげキーホルダーの収集を開始

ちなみに、院長は2014年6月に出版されたファンシーカルチャーの豪華なまとめ本「ファンシーメイト




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でも観光地の「ファンシーキーホルダー」の特集ページを担当している。




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企画に先立って、山下院長のお家にお邪魔してキーホルダーをたくさん見せてもらったのも楽しかった。




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こういうのが1,000個ぐらいある


こういったグッズを探すためには寂れた観光地へ出向き、古ぼけた土産屋を丹念に探し回る必要があるという。当然だが、人の集まる場所ほどお土産の移り変わりも激しく、そういう場所ではファンシーグッズは一掃されている。なのでまあ、かなり望みは薄いんだけど、行くだけとにかく行ってみましょう!という感じ。目的地は浅草の仲見世通りと東京タワーということにした。

よく晴れた日の朝、雷門前で待ち合わせ。




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あ、これは東京タワーで撮った写真ですが、山下院長です。




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俺です。




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今日はこの二人で歩きます。

仲見世通り、朝早くからすごい賑わい。




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では、片っ端から土産屋をのぞきます。




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まず目に入った「おなまえバッチ」。これ、ファンシー感ある。




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鈴木で〜す



キーホルダーはバリエーション豊富だが、剣や龍をモチーフにしたごつい系が目につく。




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ディグ、ディグ。




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さっきの「おなまえバッチ」と同じ主旨の商品、「ネームスプーン」。




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よくみると、

POP体っぽいフォントと




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ファンシー丸文字調のものが混在している。




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ファンシーな書体のものはずっと売れ残ってるのかもしれないですね。と話し合う。

お、

ようやくそれっぽい商品が!




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この後すぐ買いました



関係ないけど、こういう店、あるよな。




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これもまたファンシーのひとつか



コマチヘアという店、




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カツラ、ウィッグ








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面白マスク、ひょうきんメガネ



が共存するこの感じ!変装全般の店、ということか。
院長もこの店で変なメガネを買ったことがあるという。

キーホルダーを探していると、一見ファンシーテイストだけどちょっと違うなーというものも多数。院長曰く、右目と左目の離れっぷりでだいたいの制作年代がわかるという。80年代〜90年代初頭のファンシーキャラは、それ以降のキャラと比べて左右の目の距離が近いんだそうです。

それにしても、我々の求めるファンシーキーホルダーこそ数少ないが、浅草のキーホルダー市場は大盛況の様子だ。キーホルダーの回転する陳列台を回そうとする方向が向かいの人と逆になってしまって「あ、すみません」みたいな瞬間が何度かあった。こんな大人になってキーホルダーを巡って他人とぶつかるとは思わなかった。

「4WD MACHINE SPIRIT」と書いたキャップ、いいね




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さて、浅草の仲見世での収穫はこんな感じでした。

まず俺が買ったやつ




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350円



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350円 シールに隠れてるけど「やっちゃんもまつりが好き」と書いてある



ともに首が動く仕組みになっている。お店の人に聞いたら、「アジア系の方とヨーロッパ系の方ではキーホルダーの好みが全然違うんですが、これはどちらの方にも人気があります。つまり"全世界的に人気"の商品です」という。すげー!

続いて山下院長が買ったやつ




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350円 「GO GO NINJAKUN」と書いてあります



この「NINJAKUN」みたいなローマ字表記の多用もファンシーデザインの重要な要素だという。このキーホルダーは忍者がゴムで刀を背負うようにしてありなかなか凝った一品。同種で少しだけ異なるデザインのものをすでに所有しているという院長でした。

お次はこちら




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300円



今回浅草仲見世を巡っていて分かったのだが、店ごとに売っているキーホルダーに大きな違いはなく、今回見つけたファンシーキーホルダーも複数の店で同じものが売られていた(価格はほんの少しずつ違う)。のだが、↑の金色のファンシー坊主キーホルダーは、この店だけのオリジナル商品なのだという。

「これ、おそらくこの店で作ってるんじゃないかな…」と院長がお店の方に聞いてみたところ、その通りだとのことだった。




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こちらのお店でした



仏像なども作って売っているお店だったので、その技術で鋳造しているようだった。「このファンシーな金型をデザインしたのは誰なのか…今度お店に話を聞いてみます!」と院長もいい発見ができたようで安心しました。

と、そんなところで浅草を後にして東京タワーへ向かった。

道すがら、院長がたばこ屋のネオン管を指さして「あれいいっすね」というので見てみたらファンシーだった




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ファンシーは街にあふれてる



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しっかし暑い



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着いたぜ!



東京タワーの2階にお土産ショップ街がある。ちなみにそこに入るのに料金はいりません。




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ディグ。




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ディグ。




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ほとんどの土産屋は今っぽいキャラものをあしらったグッズばかり。フィギュアを売ってる店もある感じで、ファンシーの影は見当たらないのだが、フロアの隅にある「イトーズ・ギフト・ショップ」




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だけはやたら品ぞろえが古く、グッと体温が上がる。

こういうパズルキーホルダーがあったり




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漠然としたかわいい動物キーホルダーがあったり




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最高!キーホルダーを探してると店主が「これいいでしょー」「これもいいよ」「今日暑いねー」と優しく声をかけてくれる。聞くと、この店に並ぶキーホルダーの多くは30年前の在庫なのだそうだ。山下院長もガンガン買う!

興奮して思わず店長と写真撮らせていただきました。




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俺も




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この二千円がいい。




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さて、大興奮の東京タワーでの買い物があっという間に終わった。徒歩10分ほどで見つけたファミレスへ。

俺が買ったやつ

欲しかったんだーこんな財布!




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150円 「BOY'S TRIP」と書いてある



欲しかったんだー!こんな牛若丸




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100円



で、山下院長が買ったものがこちら




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200円 交通安全わらじ。下には「LOVE」とある



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200円 NIKKO三ざる。しかしなぜ東京タワーで日光なんだ



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各150円 おすもうさん



裏返すとこうです




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忍耐TOKYO。「がんばろう日本」みたい



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各120円 ファンシーお野菜キーホルダー



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各100円 「JOYFUL LIFE」をみんなも送ろうぜ!



作りが適当で、下部の日本の名所をあしらったプレートが取れてたりするのが気に入ったと院長の談。




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カニいいなー



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左から180円、100円、120円の謎シリーズ



一番左のなんだか分からないキノコ生物、裏返すと




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「TOKYO」じゃねーよ!



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250円 雪だるま


ファミレスに入って、買ったグッズを見せ合うひととき。




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今日の戦果でジョナサンのテーブルが賑やかだー



「いやー思ったよりありましたね」
「東京タワーの店すごかったっすね」
「東京の有名な観光地でも探せばまだ見つかるのかも」
「色々まわってみたくなりますねー」

と語り合ってる院長のTシャツ




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1,000円。東京タワー内「東京堂」で購入したキッズサイズだ



「あれ、こんなの売ってました!?いいなー」
「これ、あと2個ぐらい買えばよかったな」

とか言っているうちにどちらからともなく、

「もう一回、東京タワー戻ります…?」ということになった。

またディグ。




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ディグ。




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2度目の東京タワーで院長が購入したものを見せてもらった。




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100円 「ケロケロパラソル」と書いてある



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100円 これもまたひとつの「TOKYO」



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100円 豚さんの親子



裏返すとこうだ




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「HAPPY FAMILY TOKYO」



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100円 さっき買ったやつの色違い



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100円 タコの親子



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100円 小瓶の中にキラキラする紙が入ったやつ



院長曰く、ファンシーグッズにはこの「キラキラする紙」を使った品が多数あるとのこと。




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200円 これ、俺も以前東京タワーで買った!



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各150円 水戸黄門、日光の三ザルのウォレットチェーン



そういえば、「イトーズ・ギフト・ショップ」にやたらと水戸黄門グッズがあり、なぜですかと店主に聞いてみたが「中国の人に売れるんで」という返答だった。そういうものなのか?

この他に、院長はさっき着用していたTシャツをさらに3着ほど購入しており、今日全体で「8,000円使いました」とのこと!さすがである!最高に面白い。

そんなわけで、この2014年でも根気よく探せばまだまだ見つかるファンシーグッズ。ぜひみなさんも探してみて欲しい!院長が言うには「ペンション、牧場、スキー場」が狙い目だそうです!

っつうか、気づいたら浅草寺へのお参りもしてないし、東京タワーの展望台へも登っていないのだった。なんともストイックな旅よ…

今回協力してくれた「山下院長」の公式サイトはこちら。「ファンシーキーホルダーを始めとしたあの頃のグッズの処分に困っている方がいたらぜひ譲って欲しいです」とのことなので、心当たりのある方は連絡してみて欲しい。

ファンシー学院 | 80年代ファンシーおみやげを紹介します




チミドロライブ情報

2014年9月6日(土)
CRAZYPOPS vol.20
渋谷 Star lounge

開演時間 / 24:00

出演 /
 FQTQ
 おもしろ三国志
 Carpainter
 チミドロ
 レコライド
 三毛猫ホームレス
 Guchon
 パリッコ

VJ /
 ポータサウンズ
 gatotsu



2014年9月15日(月・祝)
ぐるぐる回る2014
埼玉スタジアム2002のコンコース

会場時間 / 10:30
開演時間 / 11:00



posted by チミドロ鈴木 at 10:38 | Comment(0) | 第26回〜第50回
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